2023/04/28 23:31
今から60年以上前、東北の片田舎育ちの私の手ぬぐいの記憶は、白地に紺で商店や会社の名前が入った、シンプルなものでした。
時々絵が描かれていても、なんだか地味なものという印象でした。
年末の挨拶に酒屋さんや牛乳屋さんのおじさんが持ってくる手ぬぐいは、その後生活の洋風化に伴って名入りのタオルに代わり、日々の生活から消えていきました。
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10年ほど前のある日、パート先のお隣の店舗にやってくる運搬の若者の、お洒落なジーンズの後ろに綺麗な布が!
………えー!手ぬぐいなの!!
何とも愛らしい小鳥や、鮮やかな花々、可愛らしい小動物など、彼がやってくるたびにご厚意で「今日の手ぬぐい」を見せてもらうのが楽しみになっていました。
半世紀を経て、手ぬぐいの進化に驚きました。そして自分でも使ってみて、その使い勝手の良さにも感動しました。
長い長い年月の間、日本人の生活の中で途絶えることなく使われたきて、現代の若い世代にも使われている手ぬぐい。
どんどん魅せられて、いつか自分でもオリジナルを作ってみたいと思うようになりました。
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この度夢をかなえて、オリジナル手ぬぐいの販売を始めることができました。
もしもお目に留まった一枚がございましたら幸いです。
三柄からのささやかなスタートですが、これから少しづつ種類を増やしていきたいです。
使うほどに手になじみ、いろいろな表情を見せてくれる一枚の布のなんと魅力的なことかと改めて感じながら、本日手ぬぐい屋おこん開店でございます。
画像はてぬぐい「からすうり」です
特徴的なからすうりの花をあしらったデザイン
伝統的な紺×白の2色染めと、注染ならではの鮮やかなグラデーションのコントラストが映える一枚です